ヘアドネーションとは
Wikipediaによれば「ヘアドネーション(英: Hair Donation)とは、小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どものために、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供する活動」のこと。また、「当初は認知度の低さから髪の毛の寄付が少なく、最初のウィッグを提供するまで4年を要したが、水野美紀や柴咲コウなどの有名人が参加したことにより認知度が上がり、寄付が急増した」らしい。1人の子にウィッグを贈るのに必要なのは20~30人分の髪の毛だそう。
ヘアドネーションの活動を行っている団体
ヘアドネーションの活動を行っている団体には例えば、
・特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity
・特定非営利活動法人HERO
・株式会社グローウィング
などがある。
ヘアドネーションに適した髪の毛
医療用ウィッグ用の髪の毛には31cm以上の長さが必要である。ただし、上記の株式会社グローウィングでは「髪の毛付きインナーキャップウィッグ」という帽子付きのウィッグも作っていて、これなら15cm以上あれば使ってもらえるらしい。
31cm未満でも、シャンプー、トリートメント、カラー剤などの開発に使う「評価毛」や、美容師が練習で使うカットマネキンの材料として転売することで役立てられる、としている団体もある。転売による利益はそこでのウィッグ製作費の一部になるんだそう。
長さが31cmあっても、31cmの髪の毛を半分に折って15cmの長さでウィッグに植えていくそうなので出来上がるウィッグはショートヘアのものになるらしい。もし希少価値の高い50cm以上の長さを寄付できるのであればロングヘアのウィッグ作成に役立ててもらえる。
カラーやパーマや脱色がしてあっても大丈夫。軽く引っ張っただけで切れてしまうぐらいのひどいダメージがない髪であれば使えるとのこと。
年齢、国籍、性別、髪色、髪質も問われない。クセ毛や白髪でも問題なく使用できるという。クセ毛は、軽く伸ばした状態で長さを測ったほうが良いらしい。
(注意すべき点は、カットの前に、髪の毛を濡らさないこと。必ず「シャンプー前のドネーションカット」にする。少しでも湿っていると雑菌が繁殖したりカビが生えたりして、ウィッグの素材として利用できなくなるそうだ。)
美容室でのヘアドネーションの大まかな流れ
(1)髪の毛を採取する
過去にカットして保存してあるものも含め、自分でカットしたものを送ることもできるが、そのあとの髪型のことも考えると普通の人は美容室で切るのが良いだろう。
上記団体のホームページでそれぞれの活動に協力している美容室を検索できるようになっているので、そこから探した美容室に行けばヘアドネーションに慣れている美容師さんにカットしてもらえるだろう。行きつけの美容室で切ってもらうことも可能だろうが初めての人は協力美容室を利用した方が間違いがないと思う。私は行きつけの美容室がたまたま協力美容室だったのでお気に入りの美容師さんにカットしてもらえてとってもラッキーだった。
予約の際には「ヘアドネーションカットをお願いしたい」旨を伝える必要がある。普通のカットとは手順も異なるし時間も手間も余計にかかるためである。
上の写真のように、美容師さんは髪の毛を小さい束に分けてゴムで結び、結び目の1cm上をカットしてくれる。
(2)さらにカット等で髪型を整える
長~い髪は毛先が絡まりやすく洗うのも乾かすのも大変なので大概の人は必要最小限の長さ(31cmまたは50cm)が採取できるようになった時点ですぐにでも切りたい、と思っている関係上、ヘアドネーションカット時の髪形は肩ギリギリのボブになることが多いのではないかと思う。一気にショートにするという手もあるのだが、せっかくなので2段階のカットを楽しめるように私もまずは肩上ボブにしてもらった。久々の短い髪は扱いに慣れるまで大変かもしれないのでボブから楽しむのがおすすめ、と美容師さんも言ってくれたので。
(3)髪の毛を送る
私が行った特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity(以下、JHD&C)の「賛同サロン」(協力美容室)では髪のJHD&Cへの郵送はサロンで行うことになっていたので、ドナーシートという髪の仕分け作業に必要な情報を記入する用紙にその場で記入さえすればあとはサロンにお任せできた。協力美容室によっては郵送は自分でしなくてはならない場合もあるようなので、その場合は送り先の団体のホームページで手順を確認しておく必要がある。
ヘアドネーションを終えて
郵送後の髪がウィッグになるまでには多くの工程を経る必要がありウィッグ完成までにはたくさんの人が関わっているのだが、やっとその小さな一部として協力できたことにほっとしている。
ヘアドネーションをしたいなと思い始めたのは確か4年ぐらい前。Facebookで友人や友人の娘さんなど複数の人がヘアドネーション報告をしていて、自分もしてみたくなった。慈善活動をしたい気持ちは普段からあっても体力にそんなに自信があるわけではないので災害ボランティアなども参加できずにいる。参加することで却って現場で迷惑をかけてしまいそうだからである。そのためいつもお金を寄付することしかできていなかった。ヘアドネーションであれば私のような者でもお金とは違う形での協力ができそうと考えたのだ。
最初は毛先が傷むたびに毛先カットをしていたのでなかなか進まないように感じていた。ここ1年ぐらいは毛先カットをやめてペースアップを試みた。少しぐらい傷んでいても良いらしいことがわかったからでもあるが、やはり髪の毛があまり長くなると色々不便を感じ始め、カットが待ちきれなくなってしまったからである。
「色々不便」に感じたのは、毛先が絡み合ったり、髪がどこかに引っかかりそうになって危険を感じることがあったり、洗髪後の乾燥に時間がかかったり、地球環境に悪かったり、排水溝に毛がたまりやすくなったりしたことである。
高齢になると髪質もあまり良いとは言えなくなるので、もっと若い時にヘアドネーションというものがあると知っていたらな~と思う。
ちょっと長すぎるな・・・と感じてしまうようなロングヘアに数年耐えられる人であれば誰でも挑戦可能なので興味がある方はぜひ上記団体のホームページをのぞいてみていただければと思う。
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