私が再生可能エネルギー利用者になった理由
東日本大震災が起きたとき子どもが月齢数か月だった。私はちょうど育児休暇を取得中で家に引きこもっていた。待ちに待った春が来て、これからたくさん親子で外出しよう、とワクワクしかけていた頃だ。
大震災直後の福島第一原子力発電所の事故により、そのワクワクした気持ちは一気に吹き飛んでしまった。毎日不安と恐怖でいっぱいで、赤ん坊をできるだけ内部被ばくさせないようにすることに必死で、しばらくは外出もできなかった。
東京にいる自分達が無意識に頼っていた福島の原子力発電所のせいで福島の人を中心とする多くの人の命や健康や日常生活が失われてしまったことや日本の貴重な土地が汚染されてしまったことに罪悪感を持った。私は原子力を使った発電には絶対に反対だ。
当然、原発をやめたらやめたで多くの問題を解決していかなくてはならない。 全国にある原発の廃炉をどう進めていくのか。 周辺の人の暮らしをどう支えていくのか。「トイレの無いマンション」の「汚物」をどこに置くのか。廃炉作業に携わる人をどう集めるのか。やめるだけでも途方に暮れる問題がたくさんあるのに、新たに原発を(再)稼働して災害による被害のリスクをさらに抱えるなんて有り得ない。
2011年の東日本大震災を契機に2016年4月から電力の小売全面自由化が始まり、再生エネルギー比率が高い(89.6%(2020年度実績))と評判の「パルシステムでんき」をパルシステム利用者は利用できるということを知ったとき、本当に嬉しかった。すぐにでも契約したいと思ったのだが諸事情により、やっと2018年の年末から「パルシステムでんき」に乗り換えることができた。電力の調達先を見直すことができたことは私にとって意味のある本当に重要な出来事だった。
パルシステムでんきの料金
パルシステムでんきの料金は東京電力と同じである。しかも「口座振替割引」(税別50円)があるので口座引き落としにすれば東京電力より安く済む。割引キャンペーンを実施していることもあるので乗り換え検討時にはパルシステムでんきのホームページをチェックしてみて欲しい。
パルシステムでんきの申し込み方
手続きもパルシステム利用者ならネットで申し込むだけで良いので本当に簡単だ。
パルシステムでんきのエネルギー構成
パルシステムでんきの再生エネルギーは全国各地にある発電産地で作られている。パルシステムの取扱商品である米や野菜をつくる産直産地も発電している。
2020年度実績値によれば、利用されるエネルギーのうち、40%が風力発電によるもの、39%がバイオマス発電によるもの、8%が水力発電によるもの、2%が太陽光発電によるもの、1%が地熱発電によるもの、である。
パルシステムでんきのバイオマス発電による電気は「木材や鶏糞など、生物由来の資源を燃料とした電気」である。小水力発電による電気は「中小規模の河川や農業用水路などの水流を利用して発電した電気」のことらしい。
残りの27%は他所から調達している分であり、 水力、火力、原子力、FIT電気、再生可能エネルギーなどが含まれるとのこと。
東京電力から再生エネルギー比率の高い事業者に乗り換えをする人がもっともっと増えていけば再稼働は推進しづらくなるのではないかと期待している。
パルシステムでんきの新たなプラン「さんさんでんき」
パルシステムでんきでは2020年10月から太陽光の余剰電力の買い取りも始めたらしい。パルシステムでんきの契約者のみが利用できるプランで、プラン名は「さんさんでんき」。自宅で太陽光発電をしているご家庭はパルシステム電気の利用と併せて検討してみてはどうだろうか。
パルシステムでんき以外の選択肢もある
今は色々な業者があるので、乗り換え先の選択肢も豊富である。パルシステム以外の生活協同組合でも同様の電気事業を行っているところもあるし、生活協同組合に加入できない人なら、例えば「みんな電力」などの事業者もある。ソフトバンクなどでも「自然でんき」というプランがあるようだ。「自然でんき」は料金も東京電力よりもかなりお得のようである。
自民党政権はしばらく続きそうであり現状では投票行動で原発再稼働を止めることはできないかもしれないが、消費行動により止めることはできるかもしれないのだ。未来に少しでも希望が持てるように。
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