パルシステムでんき


2011年3月11日の東日本大震災が起きたとき、我が子は月齢数か月だった。ちょうど育児休暇を取得中で家に引きこもっていた自分と我が子に待ちに待った春が来て、これからたくさんお出かけしよう、とワクワクしかけていた頃だ。

大震災直後の福島第一原子力発電所の事故により、そのワクワクした気持ちは一気に吹き飛んでしまった。毎日不安と恐怖でいっぱいで、赤ん坊をできるだけ内部被ばくさせないようにすることに必死で、しばらくは外出もできなかった。もちろん大震災と津波と事故の影響で命や健康や日常生活を失った多くの人たちのことを思ったらきっとちっぽけな苦労だ。でもあの事故が世界中に大きな影響を与えたことは確かだ。

東京にいる自分達が無意識に頼りきっていた福島の原子力発電所のせいで福島の人を中心とする多くの人たちを苦しめることになってしまったことや子どもたちの住む土地を汚してしまったことに罪悪感を持った。絶対に私は原子力を使った発電には反対だ、と思った。あの事故が起きた以上、子ども達の未来を本当に良いものにしたかったら原子力発電なんて絶対に推進するわけがないとさえ思う。

当然、原発をやめたらやめたで多くの問題を解決していかなくてはならない。 全国にある原発の廃炉をどう進めていくのか。 周辺の人の暮らしをどう支えていくのか。「トイレの無いマンション」の「汚物」をどこに置くのか。廃炉作業に携わる人をどう集めるのか。やめるだけでも途方に暮れる問題がたくさんあるのに、新たに原発を(再)稼働して大地震や津波による被害のリスクをさらに抱えるなんて有り得ない。

2011年の東日本大震災を契機に、2016年4月から電力の小売全面自由化が始まり、再生エネルギー比率が約80%(2017年実績)の「パルシステムでんき」をパルシステム利用者は利用できるということを知ったとき、本当に嬉しかった。すぐにでも契約したいと思ったのだが諸事情により、やっと昨年末から「パルシステムでんき」に乗り換えることができた。電力の調達先を見直すことができたことは私にとって意味のある本当に重要な出来事だった。

パルシステムでんきの料金は東京電力と同じである。しかも「口座振替割引」(税別50円)があるので口座引き落としにすれば東京電力より安く済む。

手続きもパルシステム利用者ならネットで申し込むだけで良いので本当に簡単だ。

そしてパルシステムでんきの再生エネルギーは全国各地にある発電産地で作られている。2017年実績によれば、利用されるエネルギーのうち、60%がバイオマス発電によるもの、13%が小水力発電によるもの、5%が太陽光発電によるもの、1%が地熱発電によるものである。

パルシステムでんきのバイオマス発電による電気は「木材や鶏糞など、生物由来の資源を燃料とした電気」である。小水力発電による電気は「中小規模の河川や農業用水路などの水流を利用して発電した電気」のことらしい。

残りの12%は東京電力などからバックアップ用に調達している分が含まれるので、東京電力傘下の原子力発電所が再稼働してしまったら、原子力発電分も料金の一部に若干含まれることになってしまう。

でも東京電力から再生エネルギー比率の高い事業者に乗り換えをする人がもっと増えていけば経済至上主義の人たちだって再稼働を推進しづらくなるはずである。

今は色々な業者があるので、乗り換える人がどんどん増えて欲しい。パルシステム以外の生活協同組合でも同様の電気事業を行っているところもあるし、生活協同組合に加入できない人なら、例えば「みんな電力」などの事業者もある。ソフトバンクなどでも「自然でんき」というプランがあるようだ。「自然でんき」は料金も東京電力よりもかなりお得のようである。

自民党政権はしばらく続きそうであり現状では投票行動で原発再稼働を止めることはできないかもしれないが、消費行動により止めることはできるかもしれないのだ。未来に少しでも希望が持てるように。

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