スギ花粉症の舌下免疫療法の費用および副作用に関する一患者の経験談

はじめに

スギ花粉症でお悩みの方ならアレルゲン免疫療法である舌下免疫療法という比較的新しい治療法があることを知っているのではないだろうか。本記事では、舌下免疫療法の概要と費用と副作用などについてブログ執筆者の経験談を紹介する。治療を受けるべきか迷っている方の参考になれば嬉しい。

舌下免疫療法の概要

以前は対症療法しかなかったスギ花粉症だが今ではアレルゲン免疫療法がある。アレルゲン免疫療法はアレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らしアレルギー症状を緩和する効果がある。はじめは医療機関で皮下に注射する皮下免疫療法しかなかったが最近では舌の下で治療薬の錠剤「シダキュア」(鳥居薬品)を溶かして服用する舌下免疫療法が登場。この舌下免疫療法により医師の指導に基づき自宅で治療薬を服用できるようになった。なおダニアレルギーに対しても同様の治療法が存在し鳥居薬品とシオノギ製薬の2社が互いに異なる成分の薬を製造しているらしい。

スギ花粉症の舌下免疫療法の流れ

舌下免疫療法は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者のみが受けることができる。よって初回の診察では血液検査を実施することが多いが下記のツイートにもあるように過去の血液検査結果を持参すれば血液検査を省略してもらえることもある。

治療は比較的少量のアレルゲンが含まれている錠剤(シダキュア)の投与から始まる。非常に稀ではあるがショックやアナフィラキシーなどの重大な副作用が生じる可能性があるため初回投与は医療機関内で医師の監督下で行われる。2回目からは自宅で服用できる。私の場合、初回は看護師の指導を受けながら薬を服用し医師の診察を受けた後、投与から30分が経過するまでは万一の場合に備えて待合室で待つよう指導された。

シダキュアの錠剤は溶けやすく作られているため非常に脆くて割れやすい。特別なシートに梱包されているので丁寧にシートから錠剤を取り外す必要がある。舌の下に置き1分間保持したあと飲み込む。その1分間の最中、唾液を飲み込んではいけない。また投与後5分間はうがいや飲食を控えなくてはならない。1分間よりも長く保持すると喉のかゆみなどの副作用が出やすいため、時間を守ることや、その1分間で錠剤が溶けきるように服用直前に水を少量飲んで口内を湿らせると良い、と私の主治医のクリニックでは教わった。

投与は1日1回。同じ量を7日間続けた後、2週目からはアレルゲン量が2.5倍の錠剤を投与していく。この一定量の投与を3~5年続けることが推奨されている。治療により8割の人が花粉症の症状が和らぐのを実感できるという。6月頃に薬を投与し始め翌年の春から早速効果を実感する人もかなり多いらしい。

私の場合は、初回投与のときに残りの6日分の少量投与用の錠剤と増量投与用の錠剤10日分とを医療機関で渡された。そして、その約1週間後に再度診察を受け副作用などの有無について医師に報告した後、1カ月分の処方箋を渡された。このときの私のツイートはこちら。

スギ花粉症治療薬シダキュアの副作用

鳥居薬品の『トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』によればスギ花粉症の舌下免疫療法に使用するシダキュアの副作用は以下の通り。

  • 口の中の副作用
    (口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れ、かゆみ、不快感など)
  • 唇の腫れ
  • 咽喉(のど)のかゆみ、刺激感、不快感
  • 耳のかゆみ
  • 頭痛

など

 
重大な副作用には既述の通りショックとアナフィラキシーがあるとのこと。鳥居薬品の『トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』によればアナフィラキシーの定義は以下の通り。

※アナフィラキシー
医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる

実際に薬を投与する直前にも看護師さんから万一のときは○○病院に救急車で運ぶことになっています、と言い渡された。この日の自分のツイートはこう。

私がこれまでに実際に感じた副作用は以下の通りである。

ツイッターで副作用について検索してみても似たような副作用を感じている人は結構いるようだ。

スギ花粉症治療薬シダキュアの副作用軽減のために守った方が良いと思ったこと

舌下での溶解時間である1分はちゃんと時計で計測した方が良い

薬を1週間服用した時点で診察を受けたときに副作用の有無について主治医に聞かれたので上記の副作用(耳や喉のかゆみ)が一時的に生じたことを報告したところ、薬は1分間舌の下に保持したらすぐに飲み込むようにした方が良い、と言われた。そういえばちゃんと1分を計測せずに「溶けたな」と思ったら適当に飲み込んでいたので、時間を守る、というのは大事なことかもしれない。口内での薬の滞留時間が長ければ口内への副作用はきっと大きくなる。

薬を服用するのは朝食後が良い

さらに、「あ、今朝も飲むのを忘れた」と思って就寝前に慌てて薬を服用してしまうことが結構あるのだが、これをすると就寝時に咳込んでしまい喉の痛みも少し出てしまうことがある。翌朝にも喉の痛みが感じられる。看護師に最初の服用に付き添ってもらったときに、薬を飲むべき時間帯について指示された記憶があまり無いのだが薬局で渡される紙には朝食後に服用するように記載されている。朝食後なら口内が比較的湿っていて薬が溶けやすいだろうし、その後の日中の活動や飲食により口内に薬が残りにくいはずだからきっと最良なのだろう、と後から納得した。服用前後2時間程度は激しい運動やアルコール摂取や入浴などは避けなくてはならないという指示もあるため、朝食後がその点でも都合が良いと思われる。

舌下免疫療法を実施している医療機関とおすすめの医療機関

舌下免疫療法は何年も前から試したいと思っていたが実施している適当な医療機関が近所になかったためできずにいた。ところが最近家族のかかりつけ医のクリニックで舌下免疫療法が受けられることがわかったので試してみることにしたのだ。まだ実施しているクリニックは少ないが鳥居薬品の『トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』から医療機関を探せるようになっている。

私がおすすめするのは内科や小児科や耳鼻科ではなく眼科や皮膚科で舌下免疫療法を実施しているところである。増量後の薬は1か月ごとに処方されるため受付での処方箋受取だけで済むかもしれないが半年に1度程度は診察を受ける必要があること、また、治療はスギ花粉症の季節が終わったあとの6月に開始されること、を考えると、毎年夏と冬に診察を受けにいかなくてはいけないことになる。この夏と冬という季節は、どちらもかかりたくない感染症が流行する季節である。例えば夏ならヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎などが流行し、冬ならインフルエンザ、ロタウィルス、ノロウィルスなどが流行する。これらの病気になった人は内科や小児科はもちろん耳鼻科にも多く訪れるが眼科や皮膚科にはそこまでいないはずだ。単に舌下免疫療法を受けるためだけにそれらの感染リスクにさらされるのは得策ではない。なお、半年に1度の診察で良いとしているのは私の主治医である。鳥居薬品の『トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』によれば1か月に1度の診察が望ましいとのことであるため、月1で診察を受ける場合はより注意が必要かもしれない。

スギ花粉症の舌下免疫療法のデメリット

費用

・初期費用:診察初回850円+診察2回目1070円=1920円ぐらい(血液検査を実施する場合はさらに血液検査代等がかかる)
・半年分の治療費:診察3回目580円+1か月の薬代1780円×6=11260円ぐらい
(1年分の治療費=22520円ぐらい)

この費用を高いと考えるか安いと考えるかは薬の効果にもよるので現段階では何とも言えない。しかし最低3年ぐらいは続けることや下の「治療の効果」のところで書いたことを考えると花粉症の対症療法にかかる薬代と比べても決して安くはないと思う。花粉症の症状が辛すぎるので少しでも和らげられれば良い、とか、対症療法に使う薬の量を少しでも減らしたい、と強く思っている人でないと負担できない額かもしれない。

治療の効果

初診時に医師からもらった冊子を見ながらネット検索をしていて気付いたのだが舌下免疫療法の効果は永久ではないらしい。治療開始から7~8年で効果が無くなるという記載をあちこちで見かける。読売新聞の記事には「治療を3年続けると、やめた2年後にも効果が持続するが、治療を2年でやめると1年後には効果がみられなくなる、と報告された。」とも書かれている。私の主治医も効果がずっと続くわけではないことを私がたずねるまで知らなかったようだ。個人的にとても信頼できる医師であるこの主治医が知らなかったということはMRの説明不足の可能性もあるかもと考えた。もし今のクリニックに相談しに行く前にこの効果持続期間の短さを知っていたら治療を受けようとは思わなかったかもしれない。でも乗りかかった船だしブログのネタになるので実験台になってみよう、ということで続けてみている次第である。

実際に舌下免疫療法を受けてみて驚いたこと

初回投与の診察の際、担当医師から「私は舌下免疫療法を行っています。」「本カードは必ず携帯してください」と書かれているクレジットカードサイズのカードを渡された。このカードには手書きで私の氏名と生年月日とかかりつけ医療機関が書かれている。そして、かかりつけ医療機関の緊急時連絡先の欄には何と主治医の携帯電話番号が記されていた。「何かあったら(緊急時は)ここに電話してください。」と主治医。なんだかビビるではないか。舌下免疫療法を実施するためには必要なことと決められているようだ。

花粉症の患者がこれほど多いのにまだそれほど多くの医療機関がこの舌下免疫療法を実施していない理由は上で述べた副作用や微妙な効果の他に上記のカードにより24時間通じる自分の携帯電話番号を患者に渡さなくてはならない点にあるように思う。この点は医師としてかなり勇気がいる行為ではないか。

まとめ

舌下免疫療法の副作用は花粉症の症状に比べれば大したことはないかもしれない。花粉症が治るのであれば費用もそこまで高くはないかもしれない。けれど数年以上毎日錠剤を飲み続ける、というのは皆にできることではないと思う。しかも、その効果は薬を飲み終わったら数年で無くなってしまう可能性が高いのだ。効果が無くなってもまた治療を再開すれば復活することになっているようだが、まだ日本では症例数が少ないため実際のところはよくわからないように思う。今のところ一か八か試してみよう、という気持ちの人でないと試せない治療法と言えるだろう。私がこのまま無事に治療を続けることができたら2020年の春には治療の効果も報告できると思う。随時本記事は更新していきたい。

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