幡野広志さんの「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読んで

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読みたくなった理由

幡野広志さんという写真家の存在を初めて知ったのは堀潤さんのツイートを見たときだったと思う。堀潤さんは別記事「堀潤の伝える人になろう講座」にも書いたように気になるジャーナリストの1人である。ちなみに幡野さんも、そんな堀潤さんの魅力を伝える素敵な写真を撮影してツイートしていたことがある。

堀さんや幡野さんによる一連のツイートを辿って知ったのは、幡野さんが現在30代で小さな息子さんがいらっしゃって、ご本人は多発性骨髄腫のため余命宣告をされているということ。そして幡野さんは「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」という本を執筆したばかりということも。

子がいる親ならドキッとさせられるかもしれないタイトルを持つこの本の内容にとても興味を持った。本を買わなくても内容を知ることは可能なぐらい幡野さんはインターネットを通じて情報発信をたくさんされているが、この本はちゃんと買って丸ごと読まなければ、と思った。

私はもともと育児関連の本を読むのが結構好きである。自分にとっての理想の家族のあり方というのもなんとなく頭の中に描けるようになってきてはいる。しかし実際に理想通りに行動するのはなかなか難しい。

それなのに、幡野さんは、その若さで親として揺るぎない自信を持って生きているように見えた。どうしたらそんな風になれるのか、それを知りたくなったのかもしれない。

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を実際に読んでみて

この本にはきっと耳が痛いことばかり書いてあるのだろうな、と思っていたが、私の背中を押してくれる言葉もたくさんあった。

これから親になる人には勿論ぜひ読んで欲しいが、そうでない人が読んでもためになることがたくさん書いてあると思う。幡野さんの意見に同意しなかったとしても、子どもがいなかったとしても、幡野さんが提起している問題について考えることは重要だと思う。親として子どもをどうやって見守っていけばいいのかについて考えさせられるし、自分の生き方についてもヒントをたくさん与えてくれる。がんで亡くなった自分の父ががんになる前に読んでおきたかったな、とも思った。自分や家族や友人ががんになる可能性は決して低くないので、がん患者の1人である幡野さんの貴重な本音は読んでおくとためになると思う。

以下は、特に覚えておきたいな、と私が思ったところのメモである。

・『だから僕の言葉は、自分で道をつくり、自分で歩いていく息子がふっと立ち止まったとき、遠くからぼんやり見える灯台ぐらいでちょうどいいのだと思う。』

・『「友だち100人」の呪い』の章に『なぜ、大人ができていないことを子どもに当たり前のように押しつけるのだろう?』

・『結婚相手に限らず、「優しい人」かどうかを見分ける方法を、息子に2つ教えたい。ひとつは悩み相談にその人がどう答えるかということ。』、『相手をいったん受け入れ、そっと背中を押してあげるような人が優しい人だ。もうひとつは、弱い人にどう接するかということ。』

・『夢を叶えるためにお金と仕事というツールがあるんだよ』、『仕事には、お金を稼いで食べていくための「ライスワーク 」と、お金と関係なく生涯やっていきたい「ライフワーク 」があると言われる。』、『もしも息子がライスワークとライフワークを別々に持つことになったら、ライスワークでは、できる限り効率よく稼いでほしい。時間をかけずに必要なお金を集めるように工夫してほしい。ライスワークのために、家族と過ごす時間やライフワークの時間がなくなるなんて、悲しすぎる。』、『それでも仕事はしょせん仕事。「仕事=自分」ではなく夢を叶えるためのツールだ。結局、何かを失ったときに残るのは、家族しかないのかもしれない。』:これらの言葉にとても救われた。現在の自分の仕事にやりがいを感じるのはとても難しい。フィードバックはないし、内容に関係なく価格も一律である。取引先を選べるようにするための努力もしていこうとは思っている。でも今の仕事はとても効率よく稼げる仕事ではある。時給もとても良い。これはライフワークを充実させるためのライスワークであると割り切れば、私はとても幸せなのだ、ということに改めて気づけた。問題は私のライフワークって何だろう、というところ。幡野さんの本を読んでいたら、私にとっては「家族と幸せに暮らしていくために努力し続けること」がライフワークのひとつであってもいいんだ、と思えた。

最後に

多くの人は幡野さんより長生きして自分の子供たちが大人になるのを見守ることができるのかもしれないが、生きている間に幡野さんほどたくさん、自分の子供への愛を表現できるのか(伝えられるのか)というとそうでもない気がする。

本屋で見かけたらぜひ手にとって見てほしい本である。

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