わが子は「先生」のような人からスポーツを教わるのも知らない人達にまじって何かをするのも苦手らしく「スキーレッスンを受けてみない?」と提案しても嫌の一点張りだった。親が教えようとしてもウザがり聞く耳を持たず。よって以前は冬の旅行にスキーリゾートに連れて行っても目の前にある立派なゲレンデをよそに家族で雪遊びやそり遊びをするのがやっとだった。
友達家族や親戚と一緒に行って子どもたちにレッスンを受けさせればあっという間に上手くなるよ、という話もよく聞くのだが、なかなかそのような旅行も計画できず。兄弟がいれば違ったのかもしれないが。
そんな状況でも息子とスキーをしたいという夫があれこれ調べて見つけてきたのが「パンダルマン」の「マジックキッズスキーレッスン」。全国各地でレッスンが受けられる。練馬区の遊園地「としまえん」がまだあった頃にはとしまえんの室内でもレッスンが受けられた。としまえんでのレッスンは室内で行われていたので天候や季節を問わず実施されるのが魅力。対象年齢は3~9歳で料金は1時間4000円(税込)だった。
「人工マットを使った特許取得のスキーレッスンプログラムを提供しています。子供の「寒い」「痛い」「怖い」というストレスを取り除き、独自の様々な教材を使用して楽しみながらあっという間に上達できるレッスンです。スキーデビューの前に、シーズン前の足慣らしに、レベルアップを目指すお子さまにもご受講いただけます。」
としまえんなら息子が好きそうな電車の乗り物もあるし、そこまで嫌がらずにレッスンを受けに行ってくれるかも、と私もレッスンを受けることに賛成。レッスンが終わったら好きな乗り物に乗って遊べるからね、と誘って連れて行くことに成功したのである。
そして信じられないことにレッスンが終わる頃には息子も一緒にレッスンを受けた子も全てがなだらかな坂を滑り降りて止まることができるようになっていた。たったの1時間で「あれだけできれば息子も自信がついて次の冬の旅行ではスキーを一緒に試すことができそう♪」というレベルになったのである!これには本当に驚いた。
何よりも我が家にとっての最大のメリットはこのレッスンを見学することで子供へのスキーの教え方を親も学べたことにあった。パンダルマンでの教え方は夫が子供のときに義父から教わったときのそれとはあまりに違っていたそうで、夫は物凄く衝撃を受けたらしい。夫はその教え方のコツを盗み取り、早速次の冬の旅行のときに活用したところ、息子は一度も泣かずにスキー旅行を楽しめるようになってしまったのだ。もちろん基礎的な部分はパンダルマンのレッスンで教わっていたので、それを息子が身体でちゃんと覚えていたことも大きい。
その教え方のコツというのは以下の通りであると考えている。
(1)絶対にできることをやらせ(失敗させずに成功体験をさせ)て、できたら誉める。
(2)少しずつレベルを上げながら(1)を繰り返して自信を徐々につけさせる。
(3)万一失敗しても絶対に怒らない。すぐに一段階レベルを下げて成功を経験させて誉めてからまた次のレベルに移る。
パンダルマンのレッスンの特徴は、転ばない(=痛くない&怖くない)&寒くない条件下で辛い思いを一切することなくスキーの基礎を短時間で覚えられることだと思う。スキー場では泣きながら滑って転んでいる子どもに怒っている父親、という光景をいまだに見かけるのだが、そういう親子にこそ、このパンダルマンのレッスンの存在を知ってほしいと思う。
なお、上記の通り「特許取得」と書いてあるので検索してみたところ、下記の特許を出願中のようであることが判明。息子が実際に受けたレッスンで使われていたものとは異なるタイプのレッスン用具に関連するもののようである。図1からすると、たぶん10歳以上が受けられるスノーボードレッスン用のものを想定している。パンダルマンのホームページを見ていると、レッスンに使われる、摩擦係数が段階的に低くなるように作られている「フリクションマット」を対象とする特許(または単なる出願)が過去にはあったのかもしれない。
特開2019-013568【課題】スキー板又はスノーボード等の雪上滑走具を用いて雪上滑走技能を獲得するための雪上滑走スポーツ訓練装置を提供する。【解決手段】仮想滑走領域1dと、仮想滑走領域の中心部1cから放射方向に設けられた複数のリードロープ固定手段と、仮想滑走領域の中心部に登板する訓練者4の胴部周りに捲かれたリードロープ取付けベルト6と、リードロープ 固定手段とリードロープ取付けベルトに固定される複数本のリードロープとを有し、仮想滑走領域を構成する表層は、滑り抵抗と平面方向及び厚み方向の弾性復元力が大きい疑似雪面部材1bで構成され、訓練者は雪上滑走板5を履き、自らの体重移動で雪上滑走板のエッジを立てるカービング及び停止の訓練に伴う体重移動による姿勢傾斜を複数本のリードロープで保持すると共に、疑似雪面部材は、エッジを立てることによる当該エッジが疑似雪面部材に喰い込む雪面での現象と同様の疑似雪面圧縮溝を形成する。
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